真摯に、愚直にインプラント治療と対峙 日本オーラルクリニックの想い

はじめに

デンタルインプラント(以下、インプラント)は歯科治療の福音

インプラント治療は、歯科治療のパラダイムを大きく転換させる21世紀最大の福音といっても過言ではありません。私は、インプラント治療の高い有効性と信頼性を認識し、それを適切にしかも安全に施術し、丁寧なインフォームド・コンセントを通じて多くの患者さんに受け入れられるよう、まだ発展しつつあるこの治療を大切に育みたいと考えています。

デンタルインプラント

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インプラント治療に思いを馳せた日々

この思いは、四半世紀以上前、私が大学生であった頃に遡ります。或る全部床義歯学(総入れ歯の学問)の講義で「総床義歯(総入れ歯)の主な維持は吸着であり、前歯で固いものを噛み切ろうとすると外れてしまう。」という内容を教わりました。その時、このままでは、歯科医療の将来が危ぶまれると学生ながら感じたことをしっかり覚えています。そこで、何か新しい治療法はないかと、あれこれ調べたところ、歯槽骨に人工歯根を打ち込んで補綴する所謂インプラント治療を知りました。しかし、当時のインプラントは、人工サファイヤや形状記憶合金のブレードタイプなどで「オッセオインテグレーション」の概念はまだなく、長期に機能できずにすぐ感染を起こしていました。そのうえ、インプラント除去後の骨欠損が著しくて、インプラントは無論のこと、義歯の装着も困難になるという悲惨な末路を辿るものが多く、インプラントに対する懐疑心が渦巻いていました。しかし、私は「歯槽骨に人工歯根を埋入して補綴するインプラント治療」のコンセプト自体は素晴らしいものだと考え、安定して長期に渡って快適に機能するインプラントの出現を希求しました。
その後大学院で「骨の再生」を研究していた私は、従来のインプラントが体内で異物として認識され、被包化され排出される過程が動揺や感染、脱落といった症状として現れていることを認識し、インプラント体が生体と親和性を持てば、素晴らしい治療となるとの考えを強くしました。

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新しいインプラント治療との邂逅

そんな折、名古屋での講演で当時東京歯科大学の講師だった小宮山先生と出会ったことから、ブローネマルク教授の開発したチタン製シリンダータイプのインプラントを知り、その予知性の高さを直感しました。すぐに小宮山先生からオッセオインテグレーションのコンセプトと詳しい治療法を学び、初めてインプラント治療を始めました。当時のインプラント治療は、上下無歯顎者の下顎の前歯部に5本のインプラントを埋入し、後方を延長ブリッジとして12本の歯をつけるものでした。上顎は総入れ歯でしたがそれでも患者さんからはリンゴも丸かじり出来ると喜ばれました。

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幸運な環境で築けた臨床応用力

大学院を出て間もなく、名城病院の口腔外科の立ち上げのため赴任し、基礎医学として「骨」を研究し、臨床的には口腔外科医として顎変形症の「骨切り術」すなわち外科的矯正を専門の1つとしていた私は、当時まだ周知されていなかった厳格なプロトコールに従ったブローネマルクインプラントシステムによる欠損補綴を手がけ、口腔外科らしい試みでサイナスリフト、神経移動術、骨移植術や骨延長、GBR(細胞遮断膜を用いた骨再生療法)などの骨造成術をはじめ、様々な取り組みを積極的に行ってきました。そして、その実績から更に応用範囲を広げるためには確かな口腔外科的な診断力、管理力、スキルの重要性を実感しました。
そして、トップダウントリートメント、歯科CTとシミュレーションソフトを使った埋入即時負荷などの患者さんにとってより利便性の高い治療へと進化中です。

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再び訪れたインプラント治療の危機

しかし、最近、インプラント治療は再び危機的な側面を呈しています。それは、歯科医院数が増加の一途で過飽和状態になっていることです。その結果、患者さんの奪い合いが激化しています。医師サイドでは、治療法をしっかり学んで十分な技術を得ないまま、流行だと安易にインプラント治療を取り入れ、集患目的で安さをアピールする価格競争もヒートアップしています。一方患者さんはコンビ二感覚で受診し、十分な説明も受けず「インプラント」というだけで過大な期待をかけるという構図となって、一時代前以上にトラブルを引き起こしています。
価格が安く済むのならいいじゃないかと思えますが、そうはうまくいきません。最先端を維持するための設備投資、高い技術のスタッフを雇う人件費、高品質のインプラント材料費や技工代などを考慮すれば治療費にも下限というものが出てきます。それを超えて格安の治療を提供しようとなると、厳格なプロトコールを守れず、どこかに「ひずみ」が生じることになります。
たとえば人件費の削減。これはそのまま技術の低下に結びつきます。「作業の効率化」といえば聞こえはいいですが、滅菌消毒など重要な作業が不十分になる恐れがあります。また材料や技工コストの削減。これは耐久性だけでなく、安全性にもかかわる重要な問題となります。従って、価格競争の悪害がそのまま患者さんに跳ね返ってくることになるのです。
ですから、インプラント治療を受ける際には、費用面も気になるところですが、まず「治療の内容」や「システム」をしっかり理解し選ぶことが重要です。また、医師の技量を適切に評価して、技量に見合った治療費をお支払いいただくことで新しい治療は発展し、優秀な医師を育成することにもなるのです。
また、医師の立場で、インプラント治療は、確かに歯科界にとっても大きな福音ですが、未だ発展途上であるとの共通認識と、患者さんにとって真の福音とするために真摯な治療と十分な説明とが不可欠です。

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真摯に愚直にインプラント治療の長期予後と対峙したい

私は、開業以来、より安全で専門的なインプラント治療を行なうため、病院歯科口腔外科の機能をコンパクトに凝縮した開業歯科口腔外科医を目指して来ました。しかし、当院は、年間千本ものインプラントを埋入していません。多くても200本程度です。年間200本でも、埋入しっぱなしではないので、毎年200本のインプラントの管理とメンテナンスが増加するわけです。当院では無理をしないで「管理とメンテナンス」のキャパシティーの範囲内で1本1本のインプラントを心を込めて埋入しています。
幸せなことに、すべての患者さんのインプラント補綴は機能していますが、それでも、術後に脱落して再埋入したインプラントは1本ありました。また、補綴物装着後にインプラント周囲炎で1本のインプラントを除去しました。最近では、下顎7本埋入のフルブリッジ症例でフォースのコントロールロスにより1本が脱落しました。しかし、これらはすべて当院でリカバリー可能な症例でしたが、患者さんにご心配をおかけしたことは残念に思います。ですから、これらの経験から、さらに完成度が高い治療法の開発に専心しています。

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学会の研修施設に

2010年には、日本顎顔面インプラント学会からインプラント専門医を養成できる研修施設に全国で9番目の施設として認定されました。これは、当院の治療姿勢、設備、技術、多岐にわたる症例数などが高く評価されたわけですが、今後はこれに驕らず謙虚を宗とし、真摯なインプラント治療を通じて、口腔外科とインプラントの指導医として地域の先生方に当院の治療システムを開示し、協力し合って健全なインプラント治療に励むと同時に、この治療をより良いものにするために積極的な役割を果たし続けたいと思います。

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