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2023年11月1日

舌の味覚について

ソウルの繁華梨泰院でハロウィンを前に集まった若者ら159人が犠牲となった雑踏事故から2年、今年は日本でも取り締まりが徹底されたハロウィンの喧騒も去り、新型コロナの蔓延も一息ついた今日この頃、突然に木枯らしが吹き、足早の冬の訪れを感じる今日この頃、やがて立冬そして小雪と、今年も暮れてゆきます。

また、今月は七五三(11月15日)、ボジョレーヌーボーの解禁(11月16日)、新嘗祭・勤労感謝の日(11月23日)などイベントも豊富で、各地から紅葉の便りが届く行楽の季節でもあります。
行楽には、美味しい秋の味覚は欠かせません。現在、味覚の基本と言えば5味(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)ですが、つい最近まで甘味、酸味、塩味、苦味の4味が基本でした。
1908年に池田菊苗が旨味物質グルタミン酸ナトリウム塩を発見し、この味は4味では説明できないので、日本では旨味として基本味とする認識が定まって行きました。しかし、欧米では長らく4味が支持され、旨味が加えられたのはつい最近のことです。

ところで、最近見なくなった舌の味覚地図、舌先は甘味とか舌の付け根は苦みとか書かれた地図のことです。これは20世紀の初頭に提唱され、20世紀中に否定されました。しかし、なぜ味覚という身近なものに関しての間違いが1世紀近く気づかれなかったのでしょうか。それは、ハーバード大学の権威もあったのでしょうが、舌はエリアごとに複数の種類の舌乳頭(小突起)が分布していることも原因のひとつだと考えられます。味覚地図の他にも、エリアごとではなく味蕾(みらい)ごとに分担する味覚が異なるという説や、反対に味蕾にはすべての味覚に対応する味細胞が存在するという説もありました。なお、味蕾は味細胞を含む「蕾(つぼみ)」状の形の味覚器官。味を感じるセンサーです。舌上には1万個程度ありますが、分布は均一ではありません。

現時点の理解は、どの味蕾にも各味覚(甘味・旨味・苦味・塩味・酸味)専門に対応する味細胞が5種存在していて、各味細胞から情報が脳に送られているため、舌のどの部分でも5味は感じるということです。

さて、秋の味覚も味覚障害があると楽しもうにも楽しめません。当院では、口腔外科専門医の在籍するクリニックとして味覚障害にも対応しています。心当たりの方は、是非ご来院下さい。現在も万全のインフルエンザ・新型コロナ感染対策を実践してお待ちしています。

カテゴリ : 日記

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