硬組織の造成

ディストラクション(骨延長)

ロシアで開発された(1988年イリザロフにより術式が確立 当時は足の長さの左右差を治療する目的であった)骨延長法を口腔内に応用した方法で、特徴は骨のような硬組織だけではなく歯肉のような軟組織まで再生できる点です。吸収された歯槽骨(歯を支える骨)の高さや幅をデバイスと呼ばれる器具で骨を少し動かして、硬組織も軟組織も必要な量を造成する方法を「ディストラクション」といいます。
粘膜を剥離し、移動したい部分の可動性を確保するために骨切を行いデバイスを設置し、軟組織の治癒を待って、ねじ式になっており、ねじを回して1日0.5mmから1mm動かすことで硬組織と軟組織が新生されます。理論的には何センチでも延長可能です。この新生骨は仮骨とも呼ばれ成熟するまでに3~4カ月待ち、インプラントを埋入します。

特徴

  • 硬組織も軟組織も必要な量を造成することができる。
  • 器具(デバイス)が高価で治療期間が長い。
  • 骨造成のコントロールが難しい。
  • 器具(デバイス)を長期に口腔内に留置するため苦痛が大きい。
  • 軟組織の造成は必ずしも審美的でない。
  • 1.
    インプラントを埋め込むための
    骨の高さが不十分な状態です。
  • 2.
    ディストラクションを行う
    部位の粘膜を切り取ります。
  • 3.
    デバイスを取りつける位置を決め、ドリルや骨ノミを使って骨片をつくります。デバイスを取りつけ、手術後1週間後から少しずつ引き上げていきます。
  • 4.
    歯槽骨が再生し、インプラントを埋め込むための準備ができました。

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